ほっぺるふぃんぶろぐ

遺志を継いだ手編みの帽子

4月ですね、春ですね~。

今年ご入園やご入学を控えたお子さんたちも、楽しみな日がもう目の前になってきましたね。
お元気で晴れの日をお迎えくださいね。

さて~~、タイトルの帽子のお話。

1年ほど前、友だちから作者を失った編みかけの帽子を預かっていました。

編みかけと言っても、編む部分はほとんど出来上がっていました。
もう、あとはつなげば完成?という感じでした。

 

これ↑が預かったときの状態です。
トップの周囲にサイド部分をつないだデザイン。
まるで、お日さまのよう。
優しいクリーム色のコットン糸です。

この帽子、友だちから預かったと言いました。
これは、彼女のお母さんが亡くなる…たぶん直前まで、、
彼女のために、病床でも編んでいらっしゃったのでは?と思う帽子です。

彼女が「ずいぶん前に、帽子を編んで、と頼んだけど、ほんとに編んでくれていたとは、知らなかった。後から知った。」と言っていました。

「出来上がっても普段被るなんてできないと思うけど、できれば完成させて欲しい。」とも。

最初は「そんな大事なもの・・・私にはムリ」と言って断りました。
私の編み物なんて、好きでちょこちょこ編んでただけだし。

でも。。

未完成のままなのは、帽子にとっても、お母さんにとっても、本望ではないかもしれない、とも思いました。
それならば…と、微力ながら私が預からせてもらったという次第です。

…そんな大切な帽子を、私はほぼ1年も放置していました。

言い訳ですが、私にはちょっと荷が重い気がして。。

だって、、

編み物って、、

ひと目、ひと目、針を動かし、コツコツ編み目を作っていくもの。

編みながら、それを着る人とか被る人のことを考えると思うんです。
無意識のうちにも。

渡したときに、、
喜ぶかな?とか、、
驚くかな?とか、、
自然に考えるものですよね。

そんなお母さんの気持ちを…勝手な想像だけど…。
ちょこっと想像するだけでも…なんかこう…、、
いろんな想いを考えてしまって。。

それが、つい2~3日前、急に思い立ったんです。
完成させなきゃ!と。

いつでもいいからと言ってくれた友だち。
催促されないことを良いことにしまいこんでいたのです。
が、いくらなんでもお母さんの一周忌までには完成させて返さないと…、と。

出来上がった次の日、友だちにメールしました。
そしたら、なんと…メールした日の夜に一周忌の法要に向けて出発すると言う返事。
偶然にもギリギリ間に合った!
なんというタイミング!

トップに細編みでサイド部分をつなげてありました。
なので、サイド同士も細編みでつないでみました。

お母さんが思ってた完成形と違っているかもしれません。
そうだったらすごく申し訳ないけど、もし天国で喜んでもらってたらうれしいな~。
どうだろ…大丈夫でしょうか?

終わってみれば、サイドを縦につなぐだけだった。。
にもかかわらず、ほんとに長々とお待たせしてしまいました。
ごめんね。

私も編もうかな、帽子。

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